i のあるメール大賞』で

友達を大切に思う態度

 

【対 象】中校年3生

【ねらい】 「i のあるメール大賞」入賞作品について話し合うことを通して、友情の尊さを理解するとともに、心から信頼できる友達をもち,互いに励まし合い,高め合おうとする態度を養う。2-(3)

【学習内容】

(1)友達を大切にしようとする気持ち

        メールの内容について感想をもつこと

        メールから友情の尊さ・よさを感じ取ること

        (相手の性格や状況ににふさわしい励ましを送ることのよさについて気付くこと)

(2)自分の生活について振り返って考えること

        自分が友達を励まし高め合おうとしているかどうか考えること

        今後の願い、課題(授業の感想)

 

【資 料】 「i のあるメール大賞」入賞作品

http://i-arumail.jp/pc/contents.html#

 

    iのあるメール大賞とは「うれしかったメール。感動したメール。そして、ちょっぴり泣けてしまったメール。「iのあるメール大賞では、何気ない毎日の中で心と心をつないだわずか数行の物語を紹介して」(上記 Webから)いるもので、今年で7回を数えています。

    中学生までは、携帯電話を持たせないというのが原則です。また、使い方を十分知らせることも大切です。高等学校からは、携帯電話を多くの子どもが持つことを考え、この授業は、中学校3年の卒業近くで、実施するとよいと考えます。

    メールをするなら、友達同士が互いに励まし合い、高め合えるものであるとよいという願いで作りました。

    特定の企業のコマーシャルにならないように留意することが必要ですが、出典等をきちんと伝えることも同様に大切です。学校で十分協議して授業化を図りましょう。

    今回は、上記Webトップページの「作品検索」を「友達」で行った中から選んでいます。

 

【学習過程】(45分授業)

@        友達のよさについて発表し合う。(10分)

         導入は、携帯電話、あるいはメールの話題から入る方法もあります。しかし、中学校では携帯電話所持の原則禁止が望ましいと考えますので、ここでは、取り扱う価値に関する一般的な導入とします。

         中学校3年生で、友達のよさをどんどん発表できる雰囲気のクラスは少ないと思いますので、事前にアンケートを取っておいて、それを紹介するとか、教師の体験を先に話してムードを作るなどして、ざっくばらんに「友達のよさ・すばらしさ」を想起させます。

        課題提示:「今日は、高校生等の携帯メールの内容をもとに友情や友達関係について考えを深めてみましょう。

 

A        携帯メールの内容や気持ちについて話し合う。(25分)

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/003023/

        プロジェクタでWebを投影しながらやってもいいのですが、考えさせたい所も一緒に映し出されてしまうことから、あらかじめ画面を小さく(この作品の場合縦半分にしておくと、メールの題と本文だけの提示となり、受け手の気持ち…エピソード…を隠しておくことができます)しておいたり、画用紙等に書き写しておいたりしておきます。

        題名「テスト後にしたい10のこと」と本文「1献血・2冷麺・3展望台(今度こそは)・4映画・5かき氷・6動物園・7水族館・8ディズニー・9プチ遠出・10お祭り花火」のみを示して次のように問います。

        発問1「このメールを送った人は、どんなことを考えながら送ったのでしょうか?」

        @「自分のやりたいことを友達に知らせてきた」などに関する意見、A「テストが終わったら一緒にしたり、行ったりしようという誘い」などに関する意見、B「やりたいことを目指してテストを乗り越えていこう」という励ましに関する意見、などが出るでしょう。

        発問2:「もらった方は、どう受け取ったと思いますか?」

        発問1で話し合ったことを受信者側から見ることで、メール内容・送った側の気持ちを更に広げてみます。

        上記同様@ABに括られる意見が出てくるでしょう。

        ここでは、あまり時間を取らずに、受信者がどう感じ取ったのか(賞募集の際のひと言「エピソード」欄)を紹介します。「高校に入って勉強 勉強の毎日に一人焦ったり、沈み込んだりしていた私に友達がくれたメール。一人じゃないんだと思い、すごく安心したのを覚えています。」

        「送信者は、直接『がんばれ』と書くのではなくて、『相手も思っているだろうことを、自分が思っていること』として知らせたのです。送信者は、受信者が今、どんなことに悩んでいるのか十分知っていて、何とか力になれないかと考え、、あえて(わざと)、このような言い回しにしたのでしょう。辛いのは、みんな一緒だよってね。このような励まし方・高め方もあるのですね。」と中締めします。

 

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/005002/

        引き続き、提示します。題名「Re:」と本文「へこんだら、下からたたけば治るぞよ。」を示して次のように問います。

        発問3「このメールを送った人は、どんなことを考えでこのメールを送ったのでしょうか?」

        @鍋など金属製品がへこんだという相談を受けたから、その修理の方法を教えた(こんな意見はほとんどでないと思いますけど…)、A友達がへこんでいるようなので、あまり記にするなという意味で送った、B同様に、「大丈夫、へこむな」と直接文字にして伝えるのではなくて、鍋などと同様、ちょっと修繕すればすぐに元通りになるので、あまり記にするなと言う意味合いで励ます気持ちで送った、などの意見が出るでしょう。

        応募のエピソード欄「色々あって落ち込んでいたときに「凹んでいるんだけど…」って友達に送って返事。悩んでいるのがチョットばからしく思えました。」を紹介する。

        先のメールと同様、言いたいことを直接伝えないで、遠回しに(婉曲に)伝えることで、受信者自身が冷静になって、自分から伝えたいことを考え受け止められるようにしているとことがよい点だということに気付かせます。それは、友達のことをよく理解し、その相手にふさわしい内容で伝えているからで、誰にでも、同じ言葉でよいというわけではないことにも合わせて気付かせます。

 

B        自分の生活を振り返って、感想を書く。(10分)

        発問4:「友達について感じたこと、考えたことを書く。」

        直裁に再度友達について文章にまとめることは照れくさいと思うので、授業の感想を書く、という構えでよいと思います。

 

C        教師の話を聞く。(5分)

        ここでは、教師が感動した他の作品(もちろん、友情・信頼)に関するものですが…)を提示しながら、思いを高めます。

        伝えるとしたら、例えば次のような作品があると思います。

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/004085/

(友達に「ありがとう」って伝える作品)

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/004047/

(友達に謝る気持ちを伝える作品)

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/004045/

(直接、言いたいことをちゃんと伝える作品…本時の学習内容とは反対のメールですけど…)

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/003005/

(このメールを展開で使うことも考えたのですけど…いい内容だと思いました。これだけで1時間分の授業になるのでは?)

        本時の締めは、これです。

        http://i-arumail.jp/pc/contents.html#/detail/003001/

(教師の語りの最後にふさわしいものだと思います。)

題名「もう一本」

本文「辛いって言う字は、もう少しがんばればしあわせになれそうな字だよね。」