ゲーム、ネットを考える

【対 象】 小学校中学年から高学年

 

【ねらい】 ゲームやネット、テレビの利用について話し合う中で、その危険性について知り、今後の生活の在り方について考える。1-(1)

 

【学習内容】

(1)ゲーム、ネット、テレビなどの「やめられなさ」について考えること

(2)ゲーム、ネット、テレビの危険性を理解すること

(3)今後の自分の生活について考えをまとめること

 

【資 料】『脳内汚染』岡田尊司著

(文藝春秋 2005.12)

 

【学習過程】(45分授業)

@        ゲームやネット、テレビについて話し合う。(10分)

        事前にとっておいたアンケート結果などを示すという方法もある。

        発問1:「ゲームの楽しさはどんなところにありますか?」

        @ゲームそのもののもつ楽しさと、A友達関係を結ぶための道具としての価値に分けた後、「今日は、@について考えていきます」と課題を提示。

 

A        ゲーム等がもっている危険性を知る。(25分)

        「長時間ゲームやネットに耽る子どもと、あまりしない子どもを比較すると、長時間する子どもの特長として、次の様な点を指摘している本があります」として順々に分かりやすく話をする。

(ア)                      「生まれてきてよかったし、自分のことを好きだと思うか?」の問いに「いいえ」」と答えた子どもの割合が、あまりしない子どもに比べて、約5倍に達した。

(イ)                      「うまくいくか不安で、行動する前にあきらめてしまう」と答えた子どもの割合が、あまりしない子どもに比べて約3.5倍であった。

(ウ)                      「現実の生活よりゲームやネットの方が大切である」と答えた子どもの割合が、あまりしない子どもに比べて、5倍以上に達した。

(エ)                      4時間以上ゲームをする子では、傷つけられるとこだわり、仕返ししたくなる」と答えた子どもの割合が、あまりしない子どもに比べて、約2倍強と有意に多く見られた。

(オ)                      4時間以上ゲームをする子では、何事にも気力がなく、興味ややる気がわかない」と答えた子どもの割合が、あまりしない子どもに比べて、約4倍に達した、等々。その他にも実にたくさんの指摘がされている。書籍をお読みください。

        さらに、「時間を守ってやれば大丈夫」は本当か?として、次のような点を述べている。

(ア)              総務庁(1999)によれば、2時間以上ゲームをしている子どもたちの親の半数程度しか、実情を把握していないことが明らかとなっている。

(イ)              嗜好が強まれば、子どもはどんな手を使ってでも、ゲーム時間を捻出しようとする。

(ウ)              ゲーム依存やネット依存が生じている最初の兆候は、時間を守って終えることができないという症状である。(中略)こうした時間が守れない症状が出始めたら、依存の入口に来ていると考えられる。

(エ)              ゲーム依存が進行するにつれ、学校や仕事もどうでもよくなっていく。熱心にやっていたクラブ活動やスポーツや他の趣味にも興味が薄れていく。等々。書籍参照。

 

B        自分の生活や考え方をほんの少しよいものに変えるために、具体的に行動を起こしてみたい内容をプリントに書く。(10分)

        発問2:「ゲーム、ネット、テレビとのつきあい方について、考えをまとめ、プリントに書きなさい。」

 

        この授業は、学級活動の時間として行う方がよいかも知れません。

        また、ゲームやネット、テレビ等の危険性、弊害について述べた書籍はこのほかにもたくさんあります。その他の書籍についても目を通した方がよいでしょう。

        なお、断定的に伝えるのではなく、「このような考えや結果も報告されています」として、子どもたちの主体的な生活を促す観点から情報提供の一つとして授業化するとよいでしょう。