「星をもらった子」で見方を変える 【対 象】 小学校低学年から中学校までどの学年でも可能 この指導案は、高学年の事例 【ね
ら い】 モグラの考えを話し合うことを通して、自分の身近にある幸せに気付くことの大切さを感じ取り、明るい心で生活していこうとする態度を養う。1-(4) 【学習内容】 (1) 自分のほしいもの、あるいは自分の不満を想起すること(授業では、みよ子ちゃんにとっての「星」)。 (2) 身近にある幸せ・よさに気付くことの大切さを感じ取ること。 (3) 身近な幸せ・よさを見つけ出そうとすること。 【資 料】「星をもらった子」 『ぽけっとにいっぱい』 今江祥智:作 1984.3 理論者 所載PP.97-100
【学習過程】(45分授業) @
自分がほしいものをノートに書く。(5分) ※
発問1:「自分のほしいものを思い浮かべてください。」 ※
ノートに書かせてもいい。ほんの1,2分でもいい。簡単に子どもたちを授業に引き込む程度で。笑顔で。 A
「みよ子ちゃんがお父さんやお兄ちゃんに断られたときの気持ちを出し合う。(10分) ※
提示1:上記資料内容下線部までを読み聞かせる。 ※
発問2:「なぜ、星がほしいんだろう」 ※
「断られたとき、どんな気持ちだったろう」と発問してもいいのいい。が、「悲しい」とか「おもしろくない」などの身近い言葉が出てきそうなので、この発問で。 ※
「きれいだから」「気持ちが洗われるようだから」「ずっと以前からほしいと思っていたから」など、いろいろな意見が出る。どんな意見が出ても構わない。 ※
「皆さんにとっては、どれとよく似ているか?」と、導入で想起した子どもたちのほしいものと共通しているものや存在はないかと尋ね、寓話を子どもたちの身近に引き付けるとともに、主人公の気持ちを共感的に理解させる。 B
モグラの取ってきた星について話し合う。(15分) ※
提示2:上記資料枠囲み、後半まで読み聞かせる。 ※
発問3:「モグラは星をどうやって取ってきたと思いますか。」 ※
@ 「ジャンプして取ってきた」など、物語だからこそできる離れ業関連の意見、A「鏡に映した星」「本物そっくりに描いた星の絵」などウィットの効いた意見、B「昔地球に落ちてきた隕石」など現実的な意見、などが出るでしょう。しっかりじらして、続きを読む。 ※
提示3:物語の続き。 ※
「それからくるりとまわれ、右、五分もしないうちに、また穴からかおをだすと、―これですよ、かけらしかとれませんでしたがね。ひょいとさしだしたのは、土のかたまりです。こんな土なんで、と、みよ子ちゃんがうけとらないでいると、モグラはいうのです。―だってこの地球も星の一つなんですよ。空のむこうからみれば、あおく光って、くるくるまわってるんです。へええ、そうなの、と、みよ子ちゃんはおもいました。そして土をもらいました。つめたくっておもいかんじです。きゅうにあたりが、ぼうっとあお白く光りはじめたように、たのしいきもちです。いつかモグラは、きえていました。みよ子ちゃんは、すうっと大きくいきをすいこむと、だいじそうにその土をかかえて家のほうへあるきはじめました。」 C
モグラが言いたかったことについて話し合う。(15分) ※
発問4:「モグラは、土を取ってきて、それを星だと言い切った。モグラは、みよ子ちゃんにどんなことを伝えたかったのだろうか? (この寓話が皆さんに伝えていることはなんだろうか?) ※
最も一般的な回答は、「自分のほしいものは、実は、自分の身近にある、この物語のように「足下」にある」や「見方や受け取り方を変えると、どんなものも自分にとってたいせつなものになる」、「普段、幸せというものに気付かないが、身近なところにある」、「それらを発見することも、よりよい生き方には、大切である」などであろう。 ※
子どもたちの自由な発想を生かして、みよ子にとっての星(地球の土)と自分にとっての星の共通点、相違点を吟味しながら、自己の生き方について考えを深める。 ※
最後に、資料の最後の部分(提示3の下線部分)を再度読み聞かせるとともに、「皆さんにとっての地球の土を、探してみてください。」とさらりと投げかけて、授業を終える。 |