『尾瀬を守って』で「生命尊重」自然愛護の授業

 

【対 象】 小学校高学年

 

【ねらい】 自然のはかなさ、偉大さに改めて気付き、自然環境を大切にしようとする心情と態度を養う。

 

【内 容】(1)自然を守るために大切な気持ちをもつことができる。

(プリントの記述)

(2)自然を守ることの難しさ、尊さを感じ取ることができる。

(グループや全体での話し合いの様子、プリントの記述)

 

【資 料】 「尾瀬を守って」(文溪堂 5年 副読本)

 

【学習過程】(45分授業)

 

 @ 「自然を守るために大切なこと」について自由に意見を出し合う。

(10分)

    

   「創造の森とかかわっている活動や普段の生活の中で、自然を守るために大切なことはどんなことだと思いますか?」と投げかけ、自由な発言を促します。価値への方向付けです。総合の体験活動で感じたことも、意図的な問い返しの中で引き出します。

 

A 「尾瀬を守って」(文渓5年)を 読み、話し合う。 (25分

自分たちなりに工夫した実践活動を行っている子どもたちにとって、長靖の生き方は魅力的ではありますが、崇高なだけに距離があります。そこで、まず長靖の行動の中ですばらしいなあと思うところを自由に出し合いました。

 

 それぞれのよさを確かめ合った後、最も関心の高かった「工事の中止を直接訴えた」時の気持ちを話し合いました。そのほかの場面の長靖の気持ちに関心をもっている子どもも少なくないので、その場面と対比して書いてもよいことを告げます。そして、まずは、プリントに書けた子どもから席を離れた自由交流です。

 

 

その後、全体で話し合いを行いました。長靖の自然を思うひたむきな思い、人々にわかってもらえない無念さや憤りが出てきました。総合でよく似た活動を試みているだけに発言に真剣な思いが出ています。

展開後半では、前半で話し合った長靖の気持ちを踏まえて、自分が今感じている自然保護に対する気持ちを出し合いました。自分の生活や総合の実践活動の振り返りです。

 

C:自分ではここまでできていないけれど、今まで以上に自然を守る活動がやりがいのある仕事だと思った。

C:何の見返りもないのに一生懸命働きかける長靖の考えが深く心に残った。自然を守ることは、一人一人の義務だし、みんなの責任だと思う。他人任せは絶対によくない。

C:自然の命にもっと敏感でなくてはならない。

 

などの意見が出されました。

 

B 「心の地図に気付きを付け加える。」(10分)

    板書「心の地図」は、一人一人の道徳プリントにもありますので、それに付け加えをしてまとめとします。日常生活につなげると共に、総合での実践活動の意欲を高めることをねらいます。

 

    この実践は、実際には、もう一つの読み物資料「一ふみ十年」(東書5年)も同時に扱っています。「尾瀬を守って」の長靖が「行政や多くの人間が力を合わせること」の大切さを訴えているのに対して、「一ふみ十年」の勇は「一人一人の小さな行動の積み重ね」の大切さを教えています。それぞれの資料のよさを教師がどう受け止め子どもに返すかが大切だと思っています。

 

    指導案は

  http://sakamoto.cside.com/sakamoto2001/5nen-shizensubarashii.pdf

    関連資料は

  http://sakamoto.cside.com/sakamoto/sakamoto_index.htm#shizen

  にあります。