『4コマ漫画』で、節制について考える

【対 象】 小学校5・6年

 

【ねらい】 自分の生活態度、生活習慣を振り返り、面倒くさがらずにきまり正しく生活しようとする気持ちを育てる。

【内 容】

(1) おばあちゃんが言いたいことを想像することができる。

   ・ 些細なことに言い訳にせず、やらなければならないことをきちんとやるべきであること。

   ・ 何が大切なのか正しく判断すべきであること。

(2) 自分の生活を振り返ることができる。

   ・ 自分の生活の中で同じような事例を見付けること。

   ・ 今後の心のめあてをもつこと。

 

【資 料】 朝日新聞 2006年3月19日(日)付け

      「ののちゃん」3176  いしいひさいち 4コマ漫画

    【1コマ目】

      母、おばあちゃん、ののちゃんが町中で一緒(に見える)。

突然「しもおたぁ」と母。

【2コマ目】

  続けて、「ガスの元栓、閉め忘れてきたワァ」。それを聞いて心配顔のおばあちゃんとののちゃん。

【3コマ目】

  「どないしよう。」と頭を抱え込む母。

【4コマ目】

  「靴はいてしもうたし」(町中のように見えた場所は、実は玄関先だった)と母。

  「はよぉ 行かんか!!」とつっこむおばあちゃん。

 

【学習過程】(45分授業)

@        1コマ目を見て、どんなことを後悔しているのか発表する。(5分)

        発問1:「ののちゃんのおかあさんが『しもおたぁ』」と言っています。どんなことを後悔(心配)しているのでしょうか。」

        「買った品物をレジの所に忘れてきた」「おつりをもらうのを忘れてきた」「買い物するものを書いたメモを忘れてきた」「お金を忘れてきた」など、3人が買い物をする上で(した後で)忘れたこと(失敗したこと)を自由に発表させる。

        どれも、すぐに対処(取りに帰るなど)すべきだということを理解し合う。

        「実は何を『しもおたぁ』と言っているかというと・・・」とじらしながら、次のコマをゆっくり出す。

 

A        2コマ目を見て、どうしたらいいか話し合う。(5分)

        発問2:「『ガスの元栓をしめ忘れてきたワァ』と悩むお母さんを見ておばあちゃんやののちゃんはどんなことを思ったでしょうか」

        「すぐにしめに帰った方がいい」「みんなには買い物を続けてもらって自分(おばあちゃん、またはののちゃん)が閉めに返ろうか」など、だれがいつ解決するかに関する意見、「火事になっていなければいいな」「元栓だけではなく、そもそも火がついているということはないのだろうか」「確かに心配だ」など、母に共感する意見、などに分けて板書。できるだけ早く解決した方がいいということを共通理解する。

        中には、「ガスの元栓くらい、閉めなくっても大丈夫」だといういう意見も出るかも知れない。心配している意見と対比させて板書しておく。

 

  B 3コマ目を見て、母の悩みを発表し合う。(5分)

        発問3:「おかあさんは、『どないしよう』と、よほど心配なようだけど、どうしてだと思う?」

        「すぐには、引き返せないくらい家が遠い」「以前にもガスの元栓を閉め忘れて『あわや!』ということがあった。「とっても危険。」「ガスの元栓だけではなく、そのほかの心配(例えば、家の玄関の鍵を閉め忘れている等)も浮かんできて、話せない」などの意見をAの板書の対応するところに、チョークの色を変えて添え書きする。

        「ガスの元栓くらい、閉めなくっても大丈夫」の意見に戻って、「どうやら、閉めないと相当危険らしいよ」と返しておく。

 

B        4コマ目を見て、おばあちゃんの言いたいことを話し合う。(15分

        発問4:「『はよぉ 行かんか!!』とお母さんをしかっているおばあちゃんは、何を(どうして)怒っているのだろうか。(何が言いたいのだろうか)。」

        「まだ玄関先。靴くらいさっさと脱いで、閉めに行きなさい!」「何を悩んでいるかと思ったら、靴を脱ぐのが面倒くさいということだったのか。あきれた。」など、おばあちゃんの言葉を詳しくした意見を引き出しながら、この漫画の「落ち」(面白み)をみんなで共有する。

        出た意見を括りながら、些細なこと(ここでは、靴を脱ぐこと)を気にして(面倒くさがって)、もっと大切なこと(ここでは、ガスの元栓を閉めること)をしない理由にしていることに、おばあちゃんが「あきれている」「怒っている」と、一般化する。

        本当のおもしろさは、「ガスの元栓を閉め忘れるくらいは大したことではなく、それをもっと大したことではない靴を脱ぐということを理由に、しないってことかもしれないけど、どう思うかは、読者に任されているのでしょう・・・

 

C        自分の生活を振り返って、お母さんと同じようなことをしていないかプリントに書く。(15分)

        発問5:「みなさんには、このお母さんと同じように、小さな事を理由に、それ以上に大切なこと(緊急なこと等)をやらないでいることはありませんか。」

        黒板を「些細なこと(▲)」と「一層大切なこと(緊急なこと)(◎)」の二つに分け、それぞれ対応するように事例を書いていく。明るい雰囲気で、ユーモアも交えながら出し合えるといい。

        些細なこと(▲)を先に考えると難しい。「日頃やらなければならないとされていること(◎)を、時にさぼってしまう理由(▲)を出し合うと分かりやすい

        ◎ 宿題をする←▲ノートが切れた、鉛筆がない。

    宿題をする←▲何が宿題だったか連絡帳に書いていない。

    宿題をする←▲遊んでいて時間がない。

    宿題をする←▲兄弟が騒いでいてうるさい。

    洗顔・歯みがき←▲朝が寒い

いろいろ出て楽しい・・・・と思う。