絵本『こころの花たば』で「植物愛護」の授業

 「城谷英男 作・絵」の絵本『こころの花たば』を使って、「自然の大切さ

命のすばらしさ」について考える道徳授業です。

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今年度最初のページとなります。4月、各クラスでは、栽培活動が始まってい

ることと思います。そのような体験活動と関連指導すると一層効果があるでし

ょう。

 

【対 象】 小学校1,2年生

【ねらい】 町の人の気持ちを想像することを通して、おじいさんの願いのよ

さを感じ取るとともに、植物を大切にしようとする心情を高める。

【資 料】 『こころの花たば』城谷英男 作・絵 PHP研究所 1998年

【特 徴】 町の人が「こんな石ころだらけのところで、花なんてそだつわけ

がないよ」と遠くから見ていた時と、「そうだ、わたしたちももっと

花をそだてていこう」と花を植え始めた時を対比的に取り扱うこと

で、おじいさんの願いのよさを際だたせることで、植物を大切にし

ようとする心情を高める。

【学習過程】

@    「今、育てている花(朝顔やミニトマトなど)に、毎朝、何と言いながら

水をやっていますか?教えてください。」          (5分)

    教師の卓上に、育てている鉢をもってきて、それを示しながら問いか

ける。または、教室の外に出て、自分自分の鉢植えを前にして、発表

活動をする。

    実際に水をやりながら、話しかける言葉を発表するのもよい

    「早く大きくなってね」や「丈夫に育ってね」、「おなかがすいたでし

ょう。はい、お水ですよ」、「おお、葉っぱがひとつ増えてるね」な

ど、(1)子どもの願い (2)語りかけ (3)新しい発見 などに分けな

がら板書する。

 

A    「今日は、『こころの花たば』という話で、勉強しますよ。今からゆっく

り読みますから、みなさんは、この町に住んでいる人になったつもりで、

町の人の気持ちを想像しながら、聞いてくださいね。」    (5分)

    ゆっくり読むと、4分半かかります。

    カラーコピーしたさし絵と大切な部分の文章を書いた短冊を黒板に

添付します。

    いつもながら、時々、子どもたちのつぶやきに反応しながら、(つま

り時々立ち止まりながら、語り聞かせます。OHCで提示するのもい

い。

 

B    「こんな石ころだらけのところで、花なんて育つわけないよ。」と言って

いた町の人は、どんな気持ちだったでしょうか?プリントに書いてくだ

さい。「花なんて育つ分けないよ」の後にどんなことを言ったかを考えて

書いてもいいですね。どうぞ。             (10分)

    書く活動に5分かかります。

    (1)石ころばかりのところに花なんて育たない(という科学的な考え)

 (2)花なんて育てて何になるのか(という花を育てることのよさが分

かっていない考え)

     (3)変なおじいさんだな(という花とは関係なく、単に見知らぬおじ

いさんを受け入れない考え)が出てきます。分けて板書します。

 

C    「そうだ、わたしたちももっと花をそだてていこう」と言いながら、た

ねをまき、花をうえはじめた町の人たちは、どんな気持ちだったでしょ

うか?」                     (15分)

    Bと対比的に扱う。

     (1)花のある生活のよさ、楽しさに触れた発言

(2)おじいさんに代わって、町を花いっぱいにしたいという発言

(3)おじいさんの命の代わりとして花を育てたいという発言に分け

て板書。

    どれも大切な考え方なので、認めながら板書。町の人の気持ちがBか

らCに向上的に変容したことを確認して、「花は、単に『きれいで、気

持ちが安らぐ』というものだけではなく、『それ以上(一つのかけがえ

のない大切な命、人と人を結びつける力をもつもの、』等であることを、

子どもの発言を借りてまとめる。花(や植物)に対する意味づけが、

子どもたちなりに高まればいいです。結局おじいさんの気持ちを考えて

いることになるわけです。で、それは、結局子どもたちの中の「植物に

対する思い」を引きだしていることにもなるわけです。

 D「毎日、水をやるのが楽しみになってきましたね。みなさんにとっての『こ

ころの花(たば)』が咲くといいね。」とまとめて、授業終了です。