絵本『ほたるの星』で道徳授業

 引き続き、絵本を使っての道徳授業を提案します。今回は、山口県の絵本作

家「松田もとこ」さんの『ほたるの星』です。

「自然の大切さ」「地球観(というものがあるとすると)」を高める道徳授業で

す。

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絵本ですが、訴えているものが難しいので、5,6年での指導です。

 

【対 象】 小学校5,6年生

【ねらい】 おばあちゃんの「むねのおもい」について話し合うことを通して、

かけがえのない星「地球」を大切にしていこうとする心情を高める。

【資 料】 『ほたるの星』松田もとこ作、宮本忠夫絵 2002年、ポプラ社

 

【学習過程】

@    「ほたるを見たことがありますか?どんなことを思いましたか?」(10分)

    都市部なら難しいのですが、ある程度自然が残っているところなら、

可能な発問です。

    「ほたるの飛ぶ様子」や「その時、感じたこと」などを問い返しなが

ら、ほたるのよさ、自然のすばらしさなどを際だたせる。

 

A    「『ほたるの星』を読むので、おばあちゃんの最後の気持ちについて考え

てみます。おばあちゃんになったつもりで聞いてくださいね。」(5分)

    ゆっくり読むと、6分かかります。

    夢の部分とその前後で3つに分けて捉えられるように板書を工夫し

ます。

 

B    「むねのおもいとは、どんな思いなのでしょうか?」(15分)

    国語的に読めば、そのすぐ前の「青い星が、ずっとずっときれいな水

の星でいられるように・・・」という思いです。

    (1)すぐ上に書いた思い

 (2)キミちゃんとの思い出

     (3)まごのなっちゃんと含めて、家族を大切にしたいという思い

     (4)地域やふるさと(上村としくんやご近所のおじいちゃん)を大切

にしたいという思い。

     の4つ程度の発言になるでしょう。

    同心円上に、(2),(3),(4),(1)の順で板書し、地球は、「一人一人の大

切な思い、気持ち」や「家族」「地域」を包んで存在していること、だ

からこそ、「地球はかけがえがなく大切なものであること」を強調して

まとめます。地球という「美しいもの、人間の力を超えたところにあ

る偉大な存在」を感じ取ることができるようにします。

 

C    「あなたが、大切にしたいものは、何ですか?」(10分)

    Bで話し合ったことを、自分の生活に引きつけて、自分を振り返る。

    (1)〜(4)のどのレベルの内容でも構いません。いろいろな振り返りを

する中で、地球に対する一人一人の思いを深めます。

 

 D「ほたるのひにかよわせる」教師の思いを語り聞かせる。(5分)

    不思議なのだけど、ほたるのひを見た思い出は、はっきりと脳裏に残

っているものです。その時のことを思い出しながら、「みんなと共に、

今、ここに、あることの幸せ」について、また、それを包んでいる「地

球という存在」について、教師が話して聞かせる。