主題名   親切について考えよう   1時間


3年生      2―(2) 思いやり・親切


8月13日にアップしている「絵はがきと切手」の授業は、8月6日(土)に筑波大学附属小学校で公開した授業でした。

この授業は、それに先立つこと1か月。7月7日(木)に山口大学附属山口小学校で行った授業です。同じく3年生。

筑波と山口の授業は、「発問」に違いがあります。したがって、子どもの反応や学習内容も違ってきます。完全な「逐語記録」にしたいところですが、据え置きのビデオテープでは、録音に限界があり、出来る範囲での「(ほぼ逐語)記録」です。


【ねらい】料金不足を伝えるかどうかを話し合うことを通して、相手を思いやり親切にすることの意味を捉え、自分を見つめることが出来るようにする。
【資 料】「絵はがきと切手」文渓堂 4年生 副読本


【授業の様子】           初めて会うので、短時間で自己紹介・・・

1 自分が親切かどうかについて話し合う。(5) 【自己評価活動1】

(発問)「みんなは、友達に親切かね?」

(発問)「どうして?」

(発問)「友達への親切の度合いを、5,4,3,2,1でやるとすると、一番いいのが5で、こりゃいけんなというのが1とすると、自分は、何点くらいかなあ。指で出してみて。恥ずかしかったら出さなくていいよ。」

(指示)「では、その数字を、空中に書いておいてください。」

(課題提示)「今日は、友達に対する親切について勉強していきます。よろしいかな?」(子どもたち「はい」「は〜い」・・・)


2 読み物資料「絵はがきと切手」を聞き、「料金不足だったことを書くか、書かないか」について話し合う。(35)

●資料前の補説(不足料金の対応の仕方等について)。
私:「切手を貼らなくて出したら、または、切手代が足りなくて出したら、どうなると思う?」
子:「戻ってくる。」
私:「戻ってくる場合もあるかも知れないんだけど、普通は、受け取った人が足りない料金を払うことになっているんよ」
子:「(一同に)え〜〜!」(驚いている様子)     「ひでえ〜」

●資料提示。

●資料を読み聞かせた後、場面絵を短冊を黒板に貼りながら、粗筋を確認します。

(発問)「ひろ子は、何を考えていたのでしょう。2,3人発表してみようか。それから書こう。」【自分の価値観の表出】

(指示)「プリントの1番の欄に『ひろ子さんの思っていること』を書いてご覧。もし、思い浮かばなかったら、「自分だったらどうするか、書いてご覧」(教室の外にある鶏小屋の「コケコッコー」の鳴き声が、とってもよく録音されています・・・)

(指示)「では、話し合ってみようか?」

(発問)「前を見てご覧。理由の数としては、両方とも同じくらいあるんだね。では、今一番自分の考えに近いのはどれかな? 手を挙げて教えてくれる? 自分のプリントに書いてあるのとは別よ。今、一番近い考え。ちょっと決めてみて。どれか手を挙げて。」【自分の価値観の再確認】


今一番自分の考えに近いのはどれかな? 手を挙げて教えてくれる?

(書かない派)

(書く派)    (このあたりで35分経過)

(説明と発問)
 今ね、話し合ってきて、これだけの意見が出たんですよね。一つに意見がまとまるなんて無理なような気がするんですよね。そう思わない?どっちも正しいような気がするでしょう。今は、こっちを選んでいるんだけど、もしかしたら、違う場面になったらこっちにするかも知れないし、あるいは、こっちになるかも知れない。
 それで訊くんですけどね。(実際の場面では結局)どれか一つを選ばなくてはいけないんですよね。本当にその場面になったら・・・・。どれか一つを選ぶとしたら、『何を一番大切に考えて選んだらいい?。選ぶとき一番大切にしなければならないことって何?』選ぶとき、一番大切にしないといけないと思うこと、それは何?どれかを(行動として)選ぶとして。
(子どもたちは、何を答えたらいいか迷っている模様・・・・) 


プリントの2番の所に書いてください。


一番大切にしないといけないと思うこと、それは何?

3 再度自分を振り返り、自己評価する。(5)【自己評価活動2】

(まとめと発問)
 今日勉強したことをまとめるよ。友達に親切にするかどうかっていうことを今日は勉強したんだよね。

 授業の初めに空中に書いたよね、何点か?って。友達に親切にするっていうときにね、割り切れないっていうことは世の中に多いよね。どっちにしたらいいか分からないようなことが・・・ね。迷うようなことが結構ある。どっちをとったとしても、「両方の立場」とか「あいての気持ち」だけでもいいんだけど、「しっかり考えることが大切なんだねえ」ということを今日、勉強したのです。世の中には、割り切れないことがあって、親切にする時にどうしたらいいかわからないことがある、そのときに大切にしなければならないのは、結局どっちをとったとして、80円足りなかったよって、相手がいやな気持ちになるようなことをずばっというようなこともあるし、相手のことを考えて、お金のことを言わないことがあっても、相手の立場をしっかり考えてやらなければいけないってことを勉強した。(しどろもどろで、繰り返しが多い。)

 つまり、それをひっくり返して言うと、相手のことをしっかり考えてやったのだったら、たとえ相手がいやな気持ちになったとしても、それは相手にも分かってもらえるんじゃないか、ということ。よろしいかねえ。

 今さっき、何点か書いたよね。それで、相手に悪いかなと思いながらも、はっきり注意をしたりとか、忠告したりしたことがあるかな?(「ある」、とか「ない」とかの口々の発言) (このあたりで45分経過)
 逆に、注意できなかったなあという場合もありますか?本当は言った方がいいと思ったけど、言えなかったなあということもある?(あまり反応はよくない。あるようなないような、そんなことを今尋ねられてもこまるなあ、思い出せないなあっていう感じでしょうか・・・導入のような点数化はせずに・・・)

 今日は、これを勉強したぞっていうことが伝わったということで、終わりましょう。

「これで道徳の勉強を終わります。礼!」

では、帰りの支度をしましょう。