絵本ばばばあちゃんの『いそがしいよる』で「初心」の授業

子どもたちに人気の「ばばばあちゃんシリーズ」の絵本を使っての道徳の授業

を考えてみましょう。

 

【対 象】 小学生なら何年生でも。できれば中・高学年。(中学校でもできる)

【ねらい】 ばばばあちゃんの行いについて話し合うことを通して、「初心」を

大切にしようとする態度を養う。

【資 料】 『いそがしいよる』(ばばばあちゃんのおはなし)福音館書店

【学習過程】

@    「ばばばあちゃんの絵本シリーズを知っていますか?」「今日はね、いそ

がしいよる、っていうお話を使って道徳の勉強することにしましょう。」

「ばばばあちゃんは、どんないそがしいよるを過ごすんだろうねえ?楽し

みですね。」・・・・「では、読みます。」

    途中、子どもたちがつぶやくことを促しつつ、最後まで続けて読む。

 

A    「ばばばあちゃんの変なところ(おもしろいところ)はどこですか?」   

(発問1・・・自分の考えを対象化する発問)

    外で星を見ながら寝たいといったところ

    ベッドだけじゃなく、いろいろないらないものを家から出してきたこと

 しかもとっても多かったこと(洗濯機などは眠るのに必要ないよ)

    家からたくさんだしてきたけど、使ったものははじめに出してきたテー

ブルとお茶くらいで、そのほかのものは結局使わなかったこと

    最後にテントまで引っ張り出してきて、星が見えなくなったこと

 

@    「ばばばあちゃんが一番、「だめだなあ」と思うことは何でしょうか?」

                (発問2・・・価値観を深める発問)

    外で寝たいとわがままを言ったこと

→家の中で寝るのが当たり前!むちゃな生活はだめ!

    必要でもないものをたくさんもってきたこと

→必要なものが何かもっとしっかり考えよ!

→落ち着いた活動をすべきだ! 調子になるな!

    ちゃんと星を見ながらねなかったこと

→はじめのめあてを叶えられなかったこと

 

   おそらく、この程度の意見が出ます。

 C「これらの3つよりももっとだめなことがあります。それはなんでしょう

か?」

   ごちゃごちゃ、楽しく話し合います。その中から教師の伝えたいことが

出てくればいいのですが、出てこなければ、教師の方から話して聞かせま

す。

ばばばあちゃんの一番だめなところ、残念なところは、「はじめの願いを叶えられなかったことではなく、その願い(星を見ながら眠ること)そのものを忘れてしまっていること」です。

もちろん、「外で星を見ながら眠ること」や「家の中からいるものいらないものたくさんを持ち出したこと」「結局星を見ないで眠ること」もだめ(「だらしない」「わがまま」)なことですが、それ以上に残念なのは、「はじめの願いそのものを忘れてしまっていること」です。

 

 D「みなさん、はじめの頃の自分の強い願い、課題、やる気や希望などのこ

とを「初心」といいます。「はじめのこころ」です。みなさんにもこの初

心を忘れている人がいるのではないでしょうか? そもそもはじめの頃

どんな願いや気持ちをもっていたのかさえ、もう思い出せなくなってい

る人はありませんか?

   

    今一度、自分の「初心」を思い出してみましょう。入学したときの気

持ち、○年生になったときのきもち、○○の習い事を始めたときのめあ

てなど、それぞれの活動や時期に応じて「初心」があったはずです。

   (このあと、「○○の初心」を思い出して、書くなどの活動を組むのもよ

い・・・なかなか思い出せないとは思いますけど・・・)

 

   今日は「初心」について、楽しく勉強できましたね。

   では、終わります。