『あらしのよるに』を使って道徳の授業(1)
絵本『あらしのよるに』を使って、道徳の授業をすることにしましょう。
1巻の『あらしのよるに』を使います。だって、このシリーズのよさは、
1巻に集約されていると思うからです。授業と言うことで、こんな指導案に
なってしまいましたけど・・・
【対 象】 中学校3年、3学期、卒業前(新しい集団や生活に入る前)
小学校6年、3学期、卒業前でもできると思います。
【ねらい】 おおかみとやぎが仲良くなれたわけを話し合うことを通して、
友達と心を通わせる方法について考えることができるようにする。
【準 備】 1巻『あらしのよるに』
【学習過程】
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1巻『あらしのよるに』をゆっくり読んで聴かせる(20分)
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途中、区切りながら、感想を発表させたりする。
*
事前に全員がしっかり読んでいる事実があっても、再度読むことが
大切かな?
A
「やぎはどうして、おおかみ(とは知らなかったわけだけど)と心を通
わせることができたのかなあ?」(おおかみはやぎと・・・でもいい)
(発問1・・・自分たちの考えを対象化する発問)
*
自由に発表させ、分類しながら板書していく。
・
とってもさびしかったから。心細かったから。
・
話し相手ができたから。話していると時間が早く過ぎる
・
相手がけがをしていてつらそうだったから
・
おなかがすいていたから。気を紛らわすのにはいい。
・
「フカフカだに」のことが好きだったから。
・
小さいときやせていて同じことを言われていたから。
・
かみなりの音が大嫌いだったから。
・
何よりも、相手が自分を食べるオオカミだと知らなかったから。
*
全体で発表し合いながら、その理由を述べ合い、やぎの気持ちを確かめながら進む。
*
にこにこ、時々笑いを引き出しながら、ゆったりと楽しく話し合いをする。
「○○君と同じ考えの人、手を挙げて・・・」などと広げながら、
発言をつなぎながら進めます。
*
最後に、グループを○で囲む。上の場合、8つのグループになったわけです。
B「今まで出た仲良くなったわけを3つに分けてみましょう。そしてそれを代表する
言葉や分けた理由を言ってくださいな」
(発問2・・・自分の考えを深める発問)
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次のような分け方(状況、共通点、相手の嫌なところを知らないこと)になるかな?
・
(状況)とってもさびしかったから。心細かったから。
・
(状況)話し相手ができたから。話していると時間が早く過ぎる
・
(状況)相手がけがをしていてつらそうだったから
・
(状況)互いにおなかがすいていたから。気を紛らわすのにはいい。
・
(共通点)「フカフカだに」のことが好きだったから。
・
(共通点)小さなときお互いにやせていて同じことを言われていたから。
・
(共通点)お互いにかみなりの音が大嫌いだったから。
・
(相違点、いや相手の嫌なところをしらないこと、あるいは、気付かないこと)
何よりも、相手が自分を食べるオオカミだと知らなかったから。
「どうやら人と人が心を通わせる場合には、
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心が通いやすい状況があるようですね。今回は、あらしの夜互いに心細いっていうね。そして、
A
互いに共通点を早く知ると仲良くなりやすいようだね。話が弾むってわけ。そして、
B
相手との立場の違い、この場合は、相手が自分の生命を脅かす存在であること、
まあ、通常の友達関係であれば、自分が相手を苦手とするところや、あまり好きに
なれないところって感じかな?そんなところを知らない、あるいは、気にしないとい
うこと、はじめて会う人の場合は、事前に持っていたいその人についての情報をとり
あえず無しにして接し始めることでもあるかな、そんなことが大切なわけだ。」
とまとめます。
C「これから、新しい生活(高校生活)に入るわけだけど、友達になりやすい状況や場面を逃さず
互いに先入観をなくし、相手と自分の共通点に目を向けて、友達をたくさん作ってくださいね。」
と新生活での子供たちの友達作りを励まします。
*
友達になりやすい場面や状況について少し話し合ってもいい。たとえば、サークルや
クラスに入り立ての頃や同じ地域に住んでいるとか・・・
*
先入観や外見から見える印象をとりあえず取り払うことの大切さを強調する。つまり、
先入観でうまくいかなかった例を先生が話して聴かせるとか・・・
この出会いが「ふぶきのあした」にまで続いていくのは、なぜなのでしょう。そのわけには、
「状況」や、「共通点」、「立場の違いを乗り越えること」以上のものがあるのでしょうが、
みなさんは、どう思われますか?