ゲストティーチャーと創る「道徳の授業2」
〜高齢者疑似体験の指導を受ける〜


●ねらい
高齢者疑似体験器具をつけての役割演技を通して、おじいさんの気持ちや私の気持ちを話し合い、高齢者に温かく接し、親切にしようとする態度を養う。〜60分授業〜

●資料
「すわってください」青葉


●学習過程

1 資料を読み、話し合う。(15分)
○主人公は「そのまますわって」どんなことをつぶやいていただろう

   T 「わたし」はそのまま座ってどんなことを考えていただろうか。
   C 席をかわってあげようかな。荷物が重そうだな。
   C (座ってくださいと)言うのが緊張するし恥ずかしい。
   C 誰かかわってくれないかなあ。
   C おじいさんはどれくらい大変なのかなあ。  等

○おじいさんはどんなことを思っていただろう

【支援のポイント1】
・「後から乗ったおじいさんが立つのが当たり前では?」や「子供よりも大人の方が安全なのでは?」等の揺さぶりをかけ、 疑似体験導入への必要感や活用意欲を高めるとともに、実生活と結びつけながら考えるよう促す。


2 高齢者疑似体験器具をつけて、役割演技をしたりする (35分)
○高齢者への役割取得
  ・高齢者の身体状況
  ・重い荷物をもって立つことの大変さ

  ・席を譲ることのすがすがしさ、よさ


白内障の見え方に近づけるサングラスを付ける

T:おじいさんに変身する道具を付けて、おじいさんになったつもりで、
  つぶやいてもらいましょう。教えてくださるのは、インストラクターの○○先生です。

     *5分時間をとって、器具の説明などをしていただく。 みんな興味深く聞き入る。     

C:荷物が重いし、体も重い まわりの色が違って見える。耳も、よく聞こえないな。
  座りたいなあ。重いなあ 
  等・・・

【ゲストティーチャーの方のかかわり1】
器具使用のねらい、器具の具体、使用に伴う危険性(インストラクターが必要なわけ)等について 説明していただく。

★はじめにクラス全体で学習し、その後、2グループに分かれて、疑似体験をする。

*全体で2組ほど演技した後、クラスを2グループに分けて、順々にゴーグル、耳栓、おもりを入れたベストなどを身につけて、高齢者の身体状況を疑似体験する。杖をついて歩いてみるものも出てくる。インストラクターの方の子供の扱いがお上手で、教えられることが多かった。


3 インストラクターの方のお話を聞く(10分)
・思いやりの心の大切さ


防府市社会福祉協議会の職員の方

【ゲストティーチャーの方のかかわり2】
仕事を通じて感じておられることを中核に、お年寄りの生活や思いの実際やお年寄りを思いやるこ とのすばらしさについて話していただく。

ゲストの方のお話
道具を付けて、すごく重いと感じた人もいたし、それほどでもないと感じた人もいたようですね。それと同じように、お年寄りの方の体の様子もいろいろあるでしょう。まず、声をかけて聞いてみると言うことが大切なんですよ。
人に優しくできる人になれると言うことはとてもすばらしいことです。・・・(ゆっくりとお話をされる。)


ゲストの方は、身近なところにおられる。まず学校職員、そして保護者。校区にお住まいの方にどのような人がいらっしゃるのか、情報を収集しておくことが必要であろう。そのためには、自分が地域に出向いて、いろいろお役に立つように、日頃からつとめておくことが前提である。
 何もしていない自分が恥ずかしい。
 なお、お客様をお招きするのだから、そのための事前の依頼、文書発送、旅費・謝礼の準備等、早め早めに行うこと(今回は日程調整に苦労した)は当然のこと、上司、同僚も含めて、「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)を忘れない、ポパイのようなたくましさとやさしさが求められる。