道徳の時間でのゲストティーチャーとのかかわりの例

 道徳の時間に、直接ゲストティーチャーをお招きして授業するよさは、いったい、どこにあるのだろうか。期待される効果や留意点について、考えてみよう。

(1) T・Tとしての適切な助言、説話ができる(人的な優位)
 第一に、扱う内容項目(道徳的価値)を確かな形で、すなわち、その方の職業、趣味、生き方等で、実践されていたり、身につけておられたりしている方を招く場合、話し合いの中心的な部分での適切な助言や、終末での説話(自分の生き方の語り、学習の活動に対する価値付けや道徳的実践への意欲付け)は、非常に有効となるであろう。

(2) 資料にかかわる学びを深めることができる(資料とのかかわり)
 第二に、扱う資料中の登場人物と関連が深い方を招く場合、登場人物の心情を子供たちの疑問や意識の流れに合わせて補足したり代弁したりすることができ、幅のある授業展開が期待できる。「尊敬感謝」で資料に給食調理員さんの働きぶりが描かれていれば、直接調理員さんをお招きしてもよいし、栄養士の方に調理員さんの願いや工夫、苦労等を間接的に語ってもらってもよい。歴史上の人物が描かれていれば、民俗資料館の方をお招きしてもよいであろう。

(3) 特別な技能や体験が生きる(その人ならではのかかわり)
 第三に、特別な場合として、資料を作成した方(郷土資料等)をお招きして、資料に託された願いや思いを直接語ってもらいながら、よりダイナミックな資料提示をしていただく場合や、特別な資格や技能を持っていおられる方を招いて、技術面でのサポートをしていただくと共に、体験を通して感じておられる熱き思いを直接語っていただく場合なども、効果を上げそうである。パソコン等の情報機器を用いての授業展開となれば、操作に詳しい方をゲストとしてお招きすることが、どうしても必要となる。