道徳の時間 実施カリキュラム  3年


8-6月―2 【本音で話し合おう!】

主題名   わがままについて考えよう   1時間(3M)
【金の魚】
1―(2) 思慮・節制

●わがままを出さないための工夫を、それぞれの日常生活から思い出して、紹介し合います。そして、その「こつ」「ちょっとした知恵」を明日からの自分の生活に生かすことを狙って、この授業を仕組みました。
●学級活動にも似た授業構成に疑問を抱かれる方もいると思いますが、生きてはたらく道徳的実践力を培うためには、日常との行き来が必要です。この授業の後に、「何をどのように」という反省表などが仕組まれるとそれは学級活動になるでしょう。


【ねらい】
金の魚のおばあさんの最後の行動(桶を見つめてうなだれる)について考えることを通して、わがままな行いをしないような心情を育てる。

【資 料】金の魚(読み物資料)

【ひびき合いの授業へのワンポイント】
一人一人が日頃の生活を振り返って、わがままをしないようにするためのアイデアを出し合う。


1.      ひごろ自分がしているわがままを発表する。(5)

●わがままについて考えましょう。ひごろ自分がしているわがままを教えてくれませんか?
・ゲームをやりすぎている。おうちの人には早くやめるように言われているのだけど。
・ほしいものがあるときには、買い物にいって、買ってくれとすごくねだる。
・習い事を自分から始めたいと言ったのに、やめたくなって、やめた。
・お年玉をおうちの人に預けないで、自分で使いたいと思うことがよくある。
・親子げんかをする。
・兄弟でけんかになるけど、それはそれぞれのわがままが原因のことが多い。
●みんなわがままを言うことがあるんだね。わがままについてはみんなの問題なんだね。共通の問題。
(これを押さえて、授業に入ることにする・・・・)


2.      読み物資料「金の魚」を聞き、最後のおばあさんの気持ちを話し合う。(20)
*(発問)最後の場面で桶を見ながらうなだれるおばあさんは何を考えていたでしょう。

●おばあさんの意見を二つに分けながら板書する
(1)わがままをしたのは、すべて悪かった、と感じている意見

・悪かったなあ。ばちがあたったなあ。
・とっても悲しいな。
・夢みたいだ。
・金の魚に悪かったなあ。
・わがままを言わなければよかった。
・おけも全部壊れてしまえばよかった。
(2)金持ちになったところでやめておけばよかったと感じている意見
・最後のわがままを言わなければよかったなあ。
・豪華な家だけにしておけばよかった。
・わがままもいい加減にしておけばよかった。
・桶だけでもよかったのになあ。

●本当は、すべてわがままで、桶が新しくなっただけでも、感謝すべきことで、もっともっとと思ったおばあさんの心がけがいけなかったんだよね・・・とまとめておいて、次の活動へ。


3.  どうすればわがままをしないですむか自分の体験を出し合う。(15)
*日頃の具体的な体験をもとに意見を出すように促す。

あまりこんな道徳の授業は行わないのがふつうだけど。いけないと言うことはわかっていながら、つい、やってしまうのが、「わがまま」の正体。それなら、それを出さない工夫をお互いに紹介し合って、明日からの自分に生かす方がいい。出てきた意見は、
・ただただ我慢する。
・相手の気持ちを考えると、すっと気持ちが収まることがある。
・ストレスをためない。
・小さな我慢を蓄えて、癖づける。
・いけないことはいけないと自分に言い続ける。
・人に悪いことを言わない。

●子どもといえども、なかなかいいことを言います。「相手の気持ちを考える」とか、「小さな我慢を続けて、癖づける」などと言うのは、こりゃ、すごいです。