28  1月―2  【正直であることの難しさ】

主題名   なかなか正直に言えないんだよなぁ  1時間(3M)

【「色紙かして」 文溪堂】

1-() 正直


「うそ」には、「よいうそ」と「悪いうそ」があります。通常「うそ」とは、後者の方を指します。「自分が得をするために、事実とは違うことを言うこと」です。
いけないとは思いながら、「つい」うそをついてしまいます。
読み物資料の主人公の心情を借りながら、「そのような弱い自分」に気付くことを中心に置いての授業です。
「不十分な自己の自覚」がよりよい自分への第一歩と言えるでしょう。


【ねらい】
 「色紙かして」を読んで、うそについて話し合うと共に、正直であることの難しさ、すがすがしさについて感じ取ることができるようにする。

【資 料】
読み物資料「色紙かして」文溪堂 3年

【ひびき合いの授業へのワンポイント】
●「うそ」とは何かをはじめに話し合い、共通の理解をもつ

●主人公の気持ちを想像することによって、互いの思いの異同を明確にする。
●正直にできなかった体験を出し合い、互いに同じような気持ちになったことを知り合う。


1.「うそ」とは何かを話し合う。 (10)
発問1:「うそをつく」とは、どうすることでしょうか?
ポイント:「本当ではないこと」という意味に加えて、「自分が得をするために、相手をだますこと」という共通理解を行う。「自分の利益のため」という理解がされることがとても重要。ここが曖昧だと、正直のよさ、すがすがしさ、ましてや、正直であることの難しさを取り扱うことができなくなる。

  
予想を反して、「よいうそ」がある、と言い出して、その話し合いに数分使ってしまいました。
本時は、嘘を「自分の得のために、ひとをだますこと、本当ではないことを言うこと」と定義しました。

2.資料を読み、主人公が正直に言えなかったのはどうしてか、話し合う。(20)
発問2:「弟が正直に言えなかったのは、なぜでしょうか?」 
ポイント:切迫感を持たせるために、資料の最後の部分(夢だったところ)を、初めは知らせないで読み聞かせる。
ポイント:自分にもそんな経験があるかどうか問い返しながら、常に自分との対比で思考が進められるように配慮する。


「自分だったら、どうか」「自分にも同じような経験があるか」触れながら
話し合わせ、正直であることの難しさを捉えさせる。


.自分なら、正直に言えそうかもう一度考えながら、教師の話を聞く。(10)
ポイント:子どもたちの発言を捉えながら、正直であることの難しさやすがすがしさを教師の方から押さえる。

教師の方から、資料の後半部分(夢だったことに気がつき、正直に色紙を借りることを願い出るところ)を読み聞かせ、正直であることのよさ、すがすがしさを伝える。そして、少しでもよりよい自分であるように願い、近づこうとするよう促す。