20  10月―2  【1年の副読本で学ぼう!〜認知的な道徳の授業〜】

主題名   かぼちゃに教えてもらうわがまま  1時間(3M)

【「かぼちゃのつる」 文溪堂】

1―(1) 節度ある生活


自分たちが出し合う「わがまま」な行動を、「カボチャのつる」でまなんだ3種類のわがまま(すなわち@一人の人に迷惑をかけるわがまま A多くの人に迷惑をかけるわがまま、 B自分自身が損をするわがまま)に分けることによって、自らの「わがまま」に対する考え方を多様にする、という道徳の授業です。認知的な授業です。1年生の副読本の資料なので、1回で理解でき、資料活用が容易です。


【ねらい】
 「かぼちゃのつる」を読んで、かぼちゃのわがままを話し合うことを通して、わがままにはどんな種類(程度)があるのか話し合い、自分のわがままを振り返ることができるようにする。

【資 料】
読み物資料「かぼちゃのつる」文溪堂 1年

【ひびき合いの授業へのワンポイント】
 自分のわがままを出し合う活動を長く保障し、多くの子供の発言を「待つ」。板書上で類別しながら、みんなが同じようなわがままをしていることに気付かせる。
 自分たちが気付かなかったわがままの種類について、みんなが出し合い、そのわけを話し合うことができるようにする。


1.自分がしているわがままを発表し合う。 (15)
ポイント:「買い物をねだる」「塾を休む」 など、生活の場面毎に分けながら板書する。多くの発言を待つ。

ほとんど自分自身に関係するわがままが出ました。本来は、他人に迷惑をかけるわがままも出てくると
考えていましたが、本来の1の視点の対象となるわがままが中心でした。少し計画がずれてしまいました。当初は、3種類のわがままが出てくると考えていたのです。子供たちの「わがまま」という言葉の捉えの方が正しかったと考えられます。(1年生で授業したときには、「廊下を走る」などの「きまり」にかかわるわがままがたくさん出たのですけど・・・)さすが、3年生です。結局、本時の3番目の活動で、わがままを3種類に分けるという活動が、予定通り行えなくなりました。


2.資料を聞き、かぼちゃのわがままについて話し合う。(20)


発問1:「かぼちゃのわがままはどんなところですか?」 


ポイント:@「注意をきかない」A「すいかに迷惑をかけている」B「道をふさいでいる」の3つの分ける。



発問2:「すいかのところに入ること」と「道をふさぐこと」の違いはなんですか?

ポイント:「一人の人に迷惑をかける」と「多くの人に迷惑をかける」の違いがあることを理解させる。


その後、「トラクターでつるを切られた場面」を取り上げ、「わがまま」には、そのほかに、「自分だけが損をする」という種類もあることを理解させる。

そして、どれも、「人の注意を素直にきかない」ことが悪いのだということを押さえる。

3.導入でだしあった「わがまま」を3つの種類に分けたり、更に「わがまま」な行動を出し合ったりして、自分たちのわがままを見つめ直す。(10)


導入で、多くの人に迷惑をかける「わがまま」が出なかったので、(それは今回の1ー(1)の授業ではねらい通りの反応だったのですけど・・・それだけ、子供の反応は正しかったのですけど)、終末のこの活動では、「多くの人に迷惑をかけるわがまま」の観点から、自分たちの生活を見つめ直させました。したがって、今回の授業は、1−(1)の授業ではありましたが、この活動だけを見ると、4−(1)の「公徳心、規則尊重」の授業にも大きくかかわっていると考えることができます。
本来の道徳の授業では、望ましくない終末ともいえるでしょう。