道徳の時間 実施カリキュラム  3年


12  9月―1  【「プラス・ワン」で考えよう!】

主題名   お手伝いの心  1時間(3M)
【ブラッドレーの請求書】
4―(3) 家族愛

自分たちの考えに足りないものを、読み物資料の登場人物行動や心情から学ぶ授業です。私は、これを「プラスワン」の授業と言っています。


【ねらい】
自分のしているお手伝いとしている訳について出し合い、ブラッドレーのお母さんの心から「損得を考えない家族愛(手伝い観)」を見つけ出す。

【資 料】文溪堂 「ブラッドレーの請求書」

【ひびき合いの授業へのワンポイント】
  自分が家族のためにしているお手伝いを様々出し合い、仲間と同じお手伝いについて知り合ったり、手伝いをしているわけをみんなで紹介し合う。


(1)自分が家で家族のためにやっているお手伝いを出し合う。(20分:少し長すぎました。反省)

*子供たちがやっているお手伝いをどんどん出し合う。それがいい手伝いかどうかについて担任は全くコメントせず、にこにこしながら板書します。ここではとにかく、価値付け、認めることです。どんどん発表するので時間をたくさんかけてしまいました。(あらら)


全員がお手伝いをしていることをしっかりほめます。

(2)お手伝いをしている訳、理由を発表し合う(15分)

*いろいろな理由が出てきました。「自分の気持ちがよくなる」「楽しい」などは、「手伝い観」としては、なかなかのものですが、今日の「プラスワン」はそれに「さらにプラスされるもの」ということにしました。


「相手に喜ばれる」「気持ちよくなる」などは、すばらしい「お手伝い観」です。しっかりほめました。「お小遣いがもらえる」や「やらなかったら、罰金」があるというのには、ビックリしましたが、予想より多い人数でした。この点については、話し合う時間がありませんでした。残念です。いつか取り上げて話し合ってみるとよいでしょう。

(3)読み物資料を読んで、お母さんの家事に対する考え方を話し合う。(15分)

 2度ほど読んで、個人の考えを決めて、その後グループで話し合って、全体での話し合いです。


楽しく話し合い活動です。時間にして5分。短時間です。

「家族が好きだから」や「家族だから」という意見が2,3出たので、わたしはそれを取り上げました。その考え方をしっかり価値づけました。第2活動で出し合った「お手伝いをする理由」の中に「お母さんやお父さんが好きだから・・・」というのはありませんでした。だから、お手伝いをする理由の底には、「家族の一人一人のことが好きだからなんだよね」と付け加えをしました。

 そして、最終的に私の方から押さえたのは「損得に関係ないお手伝い観」「無償のお手伝い観」です。

一緒に生きているのだから、「ごく自然に」やるんだね、「自分が損だからとか得だからとか言うのではなく、損得を全く考えない考え方」なんだね、ブラッドレーのお母さんの行動はね・・・家の仕事(家事)をするのに、ある時には、すごくつらかったり、ある時はとっても楽しかったり、気持ちよくなったりするかもしれないけど、それを考えるのではなく、「ただただ相手のことが好きだから、自然に相手のため」にしているんだね。それが、ブラッドレーのお母さんのお手伝い(家事)に対する考え方なんだね。みんなのお手伝いの理由とは少しレベルが違うような気がするよ。
ブラッドレーのおかあさんには見習うところがたくさんあるね。みなさんのお母さんもきっとそうだよ」

と言って、授業を終わりました。
 

3年生の子供には、かなり難しいお手伝い観ですが、それを伝えていくことも大切なことだと考えて構成しました。