メルマガの原稿(3−1)

附属小学校では、希望する保護者の方に、メールマガジンを配信しています。12月10日は坂本の担当でした。もちろん、話題は、「中庭を改造して、3−1ふれあい広場をつくろう」のやぎのことです。単文ですが、配信したメルマガの原稿を載せておきます。


■■■■■■  や ぎ が 来 た   ■■■■■■

 私のクラスでは、やぎを飼っています。総合学習「中庭広場をつくろう」の一つのコーナーとしてです。「やぎコーナー」ですね。
 やぎを飼うかどうかについては、ずいぶんと話し合いをしました。全員の賛成が得られなかったからです。やぎを借りるところを一生懸命探し、交渉し、何とか借りることができるところまでこぎつけたグループの子供たちも、担任の私も、これほどまでに「もめる」とは思いませんでした。賛成約30名、反対約10名です。反対の理由は何だと思われますか?やぎのことが嫌いだからではありません。「やぎを責任をもって最後までちゃんと飼うことができないのではないか?」「もし死なせるようなことになったら、どうやって責任をとるのか?」「飼う自信もないのに、無責任ではないのか?」というのです。小学校3年生なのに、ずいぶんとしっかりしているではありませんか。話し合いは、延々と3時間も続きました。最後には、「このやぎの件については話し合いから降りる、と言い始めるもの」、「自分が以前飼っていたものを殺したことを思い出して、泣いてしまうもの」まで、出て来てしまいました。最終的には、1週間「試しの飼育活動」を行って、その後、もう一度話し合うことで、決着することになりました。話し合いを終えたときには、みんなぐったりでした。
 試しの飼育活動を無事終えて、再度の話し合いをしました。そこでは、2頭を一ヶ月飼育することで合意されました。自分たちの力ややぎのことが分かった子供たちは、比較的すんなり合意しました。2頭一ヶ月というのは、私が考えていたこととほぼ同じでした。むしろ、短いくらいで、子供たちは、自分たちの力を冷静に見ているなという感じがしました。
 やぎが来てからは、「やぎのいる暮らし」をしています。やぎに対する一人一人の子供の接し方は様々です。毎日、夕方最後までお世話をして帰ってくれる子供、休みの日にも欠かさず来てくれる子供、野菜などえさをもってきてくれる子供、やぎのその日の体調を詳しく報告してくれる子供、うんちの後始末を率先してしてくれる子供、やぎ小屋のそうじを最後までしっかりやってくれる子供、逆に、あまり関心がなくなってしまった子供など、など・・・(お休みの日には、お父さんお母さんにはお世話になりました。)
 やぎを見に低学年の子供たちがやってきます。附属幼稚園の子供たちもやってきました。明日11日には、山口保育園の子供たちもやってきます。やぎをめぐっていろいろなふれあいが広がっています。 
 やぎは、今週の14日金曜日に帰っていきます。最後まで責任をもって飼うことができた自信や、やぎへの優しい気持ちなどが子供たちの中に残ってくれているといいと考えています。


■■■■■■ 3年1組 担任 坂本哲彦 ■■■■■■