単元 心が動いた詩から
1時間目:金子みすヾの童謡

道徳で金子みすヾの詩を使って授業をしました。金子みすヾの詩は、道徳の授業で用いるのに適しています。子供の心にすっと入ってきて分かりやすい上に、みんなで考えることによって、そのよさがよりよく理解できるからです。(すこし分からない部分があるというのがいいのです。)
提示した詩は(金子みすヾの詩は、童謡と呼ぶべきだと矢崎節夫氏・・・みすヾ研究第一人者・・・が言っておられますが・・)3編、「大漁」(8)「土と草」(16)「つもった雪」(15)です。


はじめの活動
「みすヾさんはそれぞれの童謡をどんな気持ちで書いたのでしょうか。どの童謡にもみすヾさんからのメッセージが隠されていると思います。どの童謡のメッセージを深く考えてみたいでしょうか?一つ選んで考えてみましょう。あとでそれぞれのメッセージを出し合って共通点を見つけて、みすヾさんの世界を自分の生活の中にも見つけてみましょう。」
()の中が選択した人数です。


はじめにノートに自分の考えを書いて、その後グループごとに考えを出し合います。同じグループでも人数が多い場合は、4〜6人程度に分かれます。進行をするものを選び、各自の意見を出して、違いや共通点をもとに考えを深めます。グループで一つの考えにまとめる必要はありません。あくまでも自分の考えが確かになればいいのです。そのための資料が他の人の意見ということになります。


7分程度話し合ったあと、全体での話し合いです。それぞれの童謡ごとに代表的な意見を発表してもらい、板書します。その板書は、写真の通りです。
全体での話し合いでも共通点と相違点をあげながら、どちらの方がより自分の気持ちにぴったりくるかを明らかにしていきます。そのとき自分の体験などから根拠づけられれば道徳として成立します。
その時の意見は下記です。


最後に振り返りをします。「この授業で感じたこと、考えが深まったことを書いてみましょう」です。以下感想を書きます。


●「生きるためには、何かが犠牲になってどこかで苦労がある。でもがんばって生きていかないといけないという思いがどの詩にもあると思いました。」と結論づけた○○さんは、振り返りの対話で「何を犠牲にしているの?」「食べ物(肉)など・・」「何を助けに生きていいるのか?」「親や友だちだと思う。きっと目を向けていないところにもたくさん助けを借りていると思うよ。だから、そのことに感謝して生きてね。」と生活の振り返りをしました。
●「ふだん目立たないものだって、何かの役に立っていないものはない。だから、みんな必要なもの。入らないものは一つもない」と受け止めた△△さんは、「何が必要なもの?」「例えば、この髪や鉛筆など。あと、私の嫌いな虫もきっと必要なものだと思う。」とまとめました。
●「立場を変えて人のことをよく考えることが大切」とする□□君。「あまり立場を変えて人のことをよく考えたことがなかったので、これからは、考えて行動していきたい。」とまとめています。
●「みんなの犠牲で自分が生きている。自分がつらいと思っても、みんなはもっとつらい。」(▲▲君)から一言「みんな必要ってことだな。」

私は、いつも愚痴を言っています。人をうらやましがっています。情けない。そう思うのであります。



(はじめの課題提示)



(「つもった雪」から得たメッセージ)



(「土と草」から得たメッセージ)



(「大漁」から得たメッセージ)