1回目の訪問をしよう 
老人保健施設(11:00〜12:00)


食堂で昼食を待つお年寄りと話をする子供たち
姿勢を低くして顔を近づけて 「こんにちは・・・」


11時までデイケアセンターで過ごした後、老人保健施設の相談指導員さんや理学療法士の方からの指導を受けました。
ここでも、まずは、車椅子の扱い方の学習です。5.6人に1台の車椅子が準備されていて、存分に乗る指導がありました。男子と女子が一緒にグループにいるように分けられ力の差による感じ方の違いもわかるように配慮されました。また、坂道を押してあがったり、後ろ向きにひきながら下がったりしました。

ブレーキの扱い方、右に曲がるときや左に曲がるときに扱い方、利用者の方の手がタイヤの近くにあるときには、絶対に後ろから押さないこと(手や指がスポークに挟まれて事故になる)、不自由な足が必ずステップの上にあることを確認すること、車椅子から降りるときには、ステップを上に跳ね上げることなどが、その理由とともに指導されました。初めてなのに、子供たちは乾いたスポンジのように(あまりいいたとえではないのですが知識、技能)を修得していきます。和やかな中にも真剣な表情が伺えました。

車椅子での学習が終わったら、今回の訪問の最後で、最も重要な(と担任だけが思っている)老人保健施設の見学の時間です。
エレベーターで6階あがったら、相談指導員さんが
「12時まで自由に見学してください・・・」
「えっ?自由にしてもいいの?」
建物の中の説明などは、ほとんどなく、いきなりフリータイムです。
担任がびっくりしている間に、子供たちは、あちらこちらに。
昼前だったので、ほとんどの利用者の方は食堂に。行けない方は、各部屋で食事の準備。はじめはどうしていいか分からない子供たちも、食堂や各部屋でおしゃべりをはじめました。そうこうしているうちに、食事が運ばれてきて、昼食時間に。
食堂の様子をビデオや写真におさめて各部屋の方へ戻っていると、3人の女の子が、どういう訳か利用者の方にスプーンで食事を食べさせているではありませんか。出逢って5分も経っていないだろうに。(写真を載せられないのが大変残念です。いい雰囲気だったのですけど・・・)
「はい、○○さん、あ〜ん。」が自然にできるなんて。
担任は、とてもびっくりです。もちろん、婦長さんのアドバイスのもとです。担任の中では、食事の介助は2回目か3回目の課題にあがってくればいい、という考えだったのですけど。教生先生から習ったエーデルワイスを歌ったグループもありました。これまた「すごい・・・」でありました。


そのほかにも、トイレの工夫や食事の調理方法の違い、食べ方の違い、リハビリのための道具の発見など、たった20分なのにいろいろな学習をしました。今後どのように学習が進んでいくのか楽しみです。
最後に婦長さんのお話をいただきました。「子供たちにできることにはどんなことがありますか?」の質問に「お話。声かけ。車椅子を押すこと、食事の介助、ドライヤーで髪を乾かすこと」などを提案していただきました。どれも利用者の方の気持ちになってやらないといけないことなので、どれが難しいとは言えないのでしょう。


第1回の訪問はこうして終わったのであります。