単元 心が動いた詩から
2時間目:326

中村満(1978年生まれ。佐賀県出身。福岡の専門学校に通いつつ、インディーズで「326」として活動を開始。フリーマーケットや雑貨店でオリジナルグッズの販売などをしつつ個展も開く。・・・)こと326の詩(詩というのでしょうか。作品)で道徳の授業です。


 326の作品の主張はいくつもあるのでしょうが、子供に提示できそうなのは、3種類あります。
一つは、「個性を大切にせよ。自分は自分だ。」 
もう一つは、「友だちや親に支えられて生きている。」 
最後は、「大切な人、恋愛」。 


今回は、一つ目の「個性を大切にせよ」です。あまりにも子供たちの生活の中に入っている人物です。普通の道徳の授業よりは、楽しいものになると思ってこの授業をすることになりました。
 提示した詩は、著作権の関係で載せることができません。(悪しからず)
*自作資料でない限り、資料を載せることができないのが、大変残念です。

では、発問や子供たちの活動、感想などを下記に!



■7つの326の詩の提示。教師が読む。(7編もあるので、どう考えても10分)


■最も自分がすきだなと思う詩にネームカードを貼りましょう。どうしてその詩に惹かれるのか、その詩のよさ、惹かれる訳をノートに書いてみましょう。もしもよく分からないところがあればそれも書き加えておきましょう。あとで、グループになって、「よさ交換会」を開きます。では、まず一人学びです。(7分)


■一人学びを元に各グループごとにそのよさを出し合って、そのよさを更に広げましょう。「よさ交換会」です。
各グループごとに画用紙にその詩のよさを簡潔に書いてもらいましょう。できたら、黒板に貼ってください。画用紙縦向き、縦書きです。(15分)
以下その画用紙の記述(私が読むことで、発表に代える)


@「かけ算」(たった一人の子供が選択。もう知っていたからかもしれない。)
失敗しそうだからとか、みんなそうだからとか・・・。そんなことで自分の可能性をつぶしていいの?歩かないとたどり着かないし、手を伸ばさなきゃ何もつかめない。ゼロからは何も学べない・・・
A「君の速さで歩けばいい」
〜人に合わせない。マイペースでよい。
B「階段」
〜つらい時を階段を登ること、と考えると、つらいときがプラスに思えてくるから。つらいときでもこの詩を読んだら元気が出てきそうだから。人生がつらいときは階段を登ること。すごく納得できたから。
C「十人十色」
〜自分の色を大切にすることが大事。自分の個性を活かせ。選んだ理由は気に入ったから(びびびっときたから)。心に残ったから。
D「トイレにじゃーっ」
〜他人に作られたイメージや「君らしくないね。」なんてこと言われて気にして無理に違う自分をつくるよりそんなの気にせず今の自分でいこう。他人からつくられたイメージは何かいやだ。そんなものは捨てちゃえ。どうせ捨てるなら勢いの良いトイレに流しちゃえ。
E「やりたいよーに」
〜惹かれた理由。日頃言えそうで言えない言葉だから。短くて言いたいことをスパッと言っている。今の人たちに必要な言葉だから。何となく直感で。本当にやりたいことをやっていいのかを考えてみたいから。〜受けとめたメッセージ。自分のやりたいことがあればちゃんとそれには答えがある。先を見ずにやりたいことをやり始めても決してそれは間違っていいるとは言えない。やっているうちにやっている意味が分かるはず。(この辺りの記述。かなり高学年を感じさせる。日頃おとなしい、控えめな子供の発言をメモしたものらしい。)
F「時代をおいこせ」(選択した子供が最も多かった。どうしてだろう?)
〜時代とは、自分(今の)。新しい世界。今の生活。積極的に。進め。進歩。自分らしさ。
(記述が少なかったので、3人に指名して補足させる。)


■これら7枚の326の詩からどんなメッセージを受け取りましたか?ノートにズバリと1行で書いてください。(5分)
発表しましょう。(5分)
*その後の振り返りの文章と一緒に下に書きます。
○前向きにいることが大切。僕は、前向きにいつもいるのだろうか・・・・(中略)前向きにいつもいたい。
○自分らしさを出し、自分から進むことが大切。やっぱり自分から進むことが大切。そうだろ?じぶんからなにごともやること!!僕は・・(後略:反省的な文章が続く。そこまで自分を低く見なくてもいいのにと、担任は思うのだが、)・・・
○自分らしく生きることが大切。私は自分らしく生きていると思う。なぜならやりたいことをやっているから。(中略:彼女は、自分の答えがまだ見つからないと書いている。)326は言いたいことを詩に表しているからおもしろい。

「時代を追いこせ」の一文を「他人に負けるな」というメッセージと捉えている子供がいたので、意図的に指名して全体の場に出す。他の子供たちと感じ方が違うので、それを確認。結局他者との競争を否定はしなかった。

「自分らしくあればいい」というのは、自分勝手であってもいいのか?という疑問も・・・

「自分らしくあること」が実はとてつもなく難しいことに気づくのは、まだまだ先の話だろうと担任は思う。私自身、多くの人、もの、事柄に流され、日々を過ごしている・・・反省。


■全体でまとめたメッセージをもとに、自分を振り返って、思うところを書いてください。もう一人の自分と対話する形式で書いてもいいです。ノートが足りなければ後ろに書いてください。(上に載せたとおりです。)


論争にはならなかったのですが楽しい授業でした。給食中「19」のCDを聞きました。そのほかに326のイラストや詩を何人かの友だちがもってきてくれていたのですが、紹介する時間がとれませんでした。時間がある時に紹介することができるようにしたいと思います。



「心が動いた詩から」の第3弾は「相田みつを」です。実は、4弾もある・・・・結構長い単元です。